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マーケティング

ニューノーマル・マーケティング01:オンライン化する世界

 

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

コロナ時代は大変革時代で、通常であれば10年かけてゆっくり起こることが、一気に1年で起こっています。
「新しい通常・常態」がニューノーマルです。

現在起こっているnew normalとは何なのか?
「ニューノーマル マーケティング」というシリーズで何度かに分けて書いてみたいと思います。

第1回目の今回は、何がどう変わっているのか?
今起こっている現状を把握していきましょう。

ニューノーマルで拡大していくこと

◆動画・映像系WEBサービスの拡大
YouTube
Netflix
Hulu

◆物販系実店舗の売上
スーパーマーケットの売上
コンビニの売上
ドラッグストアの売上
ホームセンターの売上

◆ECの売上
Amazonの売上
楽天市場の売上
D2C WEBショップの売上

上記に関しては、コロナ下で誰もが納得していることではないでしょうか。
巣ごもりがちになりますので、自宅で消費できるモノやコトに時間とお金をかけるようになります。

ニューノーマルで変化しているもの

◆会社・仕事
オフィスワーク → リモートワーク・テレワーク
リアル会議 → オンライン会議(Zoom、Teams)
会社(の立地、ビルの設備・新しさ、広さ)が重要 → 家(の大きさ・快適さ)が重要、都心でなくてもよい

◆教育・大学など
大学講義 → オンライン講義・オンデマンド講義
塾(対面) → オンライン

◆社会
居酒屋 → オンライン飲み会
複数人で行うスポーツ → 1人でできるジョギング
紙の書籍 → 電子書籍
紙の雑誌 → 電子マガジン、WEBサービス
医療(リアル診療) → オンライン診療

上記の中には、コロナが収束したあとで揺り戻しが来てもとに戻るものもあるでしょう。
複数人で行うスポーツはコロナ下ではできませんが、コロナを克服したあとではできるものです。

しかし、一度変化してしまえば、あとは元に戻れないものもあります。
たとえば、リモートワーク・テレワークは、企業によって考え方が異なるものの、
パソコンを活用して仕事をしているビジネスマンの場合、
一度定着すれば、ずっとリモートワークを続けたくなるものです。

私自身も、コロナが社会を覆う5年前から、リモートワークをしており、
会社に出社することは月に数回しかありません。

会社に行かなくてはできないことは、バックオフィス業務がメインですから、
実はあまり会社に行かなくてよいことに気づいたビジネスマンは多いのではないでしょうか。

それよりも、満員電車に乗らず、心身ともにストレスのない環境で働けることの方が生産性を高めてくれるため重要です。

数年かけて中期的に選択肢が増えていくもの

◆イベント(スポーツ、音楽ライブ) → YouTubeなどでの無観客配信、VR

◆展示会(東京ビッグサイトなどでのリアルの会場) → オンライン展示会

上記は、まだ、テクノロジーが追いついておらず、すぐにできる状況ではないですが、
5Gがこの数年で広まっていきますので、この数年で劇的に変化していくと考えられます。

また、イベントも展示会もライブの良さがありますので、無くなりません。
リアルの展示会会場で行うだけでなくて、同時にオンラインでも展示会が行えるという、選択肢が増えていくイメージです。

ニューノーマルマーケティングは社会のオンライン化

コロナウイルスによるニューノーマルは、社会をオンライン化へ強くシフトさせました。

2020年初までZoomは一部の人が使うものでしたが、半年たたずに多くのビジネスマンのみならず、
大学生向けのオンライン講義から、小中学生の学習塾、主婦友達のやりとりにまで広く活用されるツールとなりました。

多くのビジネスにとって、たいへんに厳しい時期ではありますが、
その中でも、「オンライン化」という、これからの方向性が垣間見られます。

ニューノーマル時代のマーケティングの姿について、
また次回以降にも紹介いたします。

「アルコール77」とコロナ時代のマーケティング

 

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こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

たまたま家の近くの店舗で「アルコール77」が売られていました。

WEBニュースで発売されていること自体は、情報として知っていましたが、店頭で見たのは初めてでした。
そして目に入った瞬間、買い物カゴに入れてましたw

高知県の菊水酒造というメーカーが作ったアルコール除菌にも使えるスピリッツです。
表向きは飲料として流通しています。もちろん飲むこともできます。
(実際に試飲がてら飲んでみましたが、レモンのような香料もほんのり入っており、おいしくいただくことも可能ですw)

むろん飲料用ではなく消毒用として使うわけですが、誤って少量飲んでしまっても害がないので安心です。
これをそのままスプレーボトルに詰めてアルコール消毒剤として使います。

やはり「アルコール77」の素晴らしいところは、普段は飲料を提供する酒造メーカーが、このコロナという事態に直面し、市中の消毒用アルコールがほぼ無いことに気づき、それを提供しようと決断して、試作し、商品化し、そして圧倒的なスピードで実際に流通させたことです。

この「アルコール77」の動きは、他の酒造メーカーにも広がっており、「アルコール70」とか「アルコール65」などが発売されており、アルコール除菌剤が不足しているこの事態を緩和してくれています。
社会が危機に直面したときに、何が自分の会社でできるかと真剣に考えて、課題を見つけ、迅速に解決策を提供していることが何よりも素晴らしいです。

ドラッカーによれば、マーケティングの目的は「セリングの必要をなくすこと」であり、マーケティングとは「売れる仕組みを作ること」です。
価格は、高く売ることもできるのに、酒税を含めて1,200円+消費税ですから、全くもって良心的です。好感を持って受けられる商品で、こういった製品が今、目の前にあったら多くの人はこぞって購入します。

菊水酒造が作ったこの一連の流れが、コロナ時代を象徴する事例になりそうな気がしています。
この秀逸なことを何という言葉で表せば良いか、「利他」というと、きれいすぎるので、やはり「情けは人のためならず」かなと思います。
または「インクルーシブ」と「保和」。

コロナ時代に入り、マーケティングの有り様が変わりました。
社会環境を良くするために何が提供できるかと考え、素早く行動をとった人や企業に回り回って利益をもたらしますね!

LINE payとPayPayどちらのマーケティング活動が効果的か?

 

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

PayPayとLINEpayをはじめとしたキャッシュレス決済を使っている人も増えていると思います。
本日は、PayPayとLINEpayで、どちらのマーケティング活動が効果的かについて考えてみたいと思います。

PayPayの100億円還元キャンペーン

PayPayは、100億円還元キャンペーンを昨年2018年12月に第一弾、
そして今年2019年2月から第二弾とやってきていて、
お祭りを演出しています。

やはり、PayPayで買い物をして、20%が還元されるというのは、
2割引で商品やサービスが買えるということですので、魅力的と捉えた人がこぞってpaypayを使っています。

ただ、2018年12月の第一弾のキャンペーン時には、
1人1回5万円まで還元されましたので、25万円までの大きな買い物がお得でしたが、
第二弾のキャンペーンでは、1回1000円までの還元へと上限額が下がりましたので、
1回あたり5000円までの買い物をする場合がお得です。

過去のこのブログでpaypayは第二弾以降のキャンペーンをやる。ただし額は少額でよいと予測しましたが、これは当たりました。
デジタルマーケティングの専門家としては、定石を順当に指してきたな、と思っています。

LINEpayの20%還元キャンペーン

それに比べてLINE payは、地道です。
派手さがないので地味なのですが、
実は、LINE payも20%還元のキャンペーンを断続的にしています。
利用者側に立てば、1回の上限還元額が1000円までなので、5,000円まで使うのが最も効果的です。

地味ですね。
LINEpayのはじめての20%還元キャンペーンが、2018年12月の年末でした。
PayPayのように総予算100億円などの上限は設定されておらず、全員が還元を受けられたようです。

そして、2019年1月、2月、3月と、現在も、期間を細かく区切って行われています。

しかも、LINE payは、20%還元をする店舗の指定があります。

たとえば、2019年1月後半に行われたキャンペーンでは、ドラッグストアが中心でした。
ポイントは3月下旬に付与されるようです。

ドラッグストアはコンビニなどと違い、はじめからディスカウントされた価格で販売されていますので、
たとえば、水や備蓄できる食料などの生活物資をまとめ買いした人もいたのではないでしょうか。

PayPayとLINEpayで使えるお店(加盟店)

私は、PayPayもLINEpayも両方使っています。

PayPayは加盟店が非常に多いです。
大きなチェーン店だけでなく、街の飲食店(カフェや中華料理屋など)でも利用できることが増えています。

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(↑ PayPayアプリで池袋西口周辺で使えるお店を表示させると、無数に出てくる)

PayPayアプリでも地図上にPayPayが使えるお店がプロットされますので、
わかりやすいです。

それに対して、LINEpayはPayPayにくらべて利用できるお店が多くはありません。
現在のところ、ローソンやファミリーマートといったコンビニや、ウエルシア、ココカラファインといったドラッグストアなどの大手チェーン店が中心で、
街にあまた存在する個店は開発しきれていない印象があります。

ただ、これは、これから2019年、2020年と進んでいくに連れて、対応してくると思われます。

PayPayとLINEpay、どちらが広く普及するか

PayPayとLINEpayどちらが、普及するかですが、
私は、この2つのうちどちらが勝つかではなくて、
PayPayとLINEpayこの2つが日本のキャッシュレス決済の主流になるとよんでいます。

PayPayは派手なマーケティングで、多くのユーザにアカウントを開かせました。
LINEpayは、もともとLINEという大きな基盤があるため、LINEpayを始めるハードルが低いです。

そして、LINEpayの強みは、LINEアプリによるプッシュ通知です。
たとえば、LINEpay決済で「3月1日から14日までローソンで使える200円OFFクーポン」をLINEでユーザに送りつけることができています。

我々ユーザも、現在のところ、LINEpayで支払う強い動機がなくても、
コンビニでものを買う時に、期限が区切られたクーポンがあれば、
ついでに使ってみようとなります。

これを5回、10回と繰り返していくうちに、ユーザは、LINEpayを習慣的に使うようになっていきます。

つまり、LINEpayは地味ですが、LINEというコミュニケーションアプリがあるためにユーザにクーポンや20%還元などのお得なキャンペーンを通知して、LINEpayのことを何度も思い出させます。

これができるので、LINEpayは地味ですが、強いです。

楽天payやメルペイ、オリガミペイなどは普及するか

他の決済は限定的なところで利用されていくと考えています。
例えば、楽天payやメルペイ、オリガミペイなどがありますが、
現在のところ、PayPayやLINEpayと伍すような、
強い施策を打てているようには見受けられません。

楽天payは楽天を使っているユーザ、
メルペイはメルカリを使っているユーザがそのサービスを中心に使うというのが、
現在の私のよみですが、
日本のキャッシュレス決済は、昨年2018年末に幕を開けて、まだまだ始まったばかりですので、
これらのキャッシュレス決済のマーケティング活動の動きも楽しみに予測しながら追っていきたいと思います。

【旅中】レストランは、Googleマイビジネスが必須に:観光デジタルマーケティング11

 

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

本日は観光デジタルマーケティングの11回目です。
旅の楽しみといえば、食という人も少なくないでしょう。

その土地のオリジナリティある料理を食べたいという欲求です。
ただし、数日間の旅行で食事ができる回数には限りがあります。

そこで、初めて訪れる観光地で、どうやって(外さない)レストランを選ぶかなのですが、
あなたなら、どうやって探しますか?

Goolgeマイビジネスでレストランを探す

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たとえば、今年2018年にタイのクラビに渡航したのですが、
飲食店を探すときに、スマホの「Googleマップ」アプリを立ち上げて、ホテル近くに表示される飲食店を見ていき、
その中で、
口コミ評価が高いもの、
口コミの投稿件数が多いもの、
写真が多くイメージが付きやすいもの、
の観点から絞っていき、お店を決めました。

Goolgeマイビジネスでレストランを探すポイントは口コミ投稿件数の多さ

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口コミ評価が高くても、投稿件数が少ないと微妙なこともありますので、
特に、口コミの投稿件数には着目します。

また、口コミは、様々な国の人が書き込むため、
いろんな国の言葉で表示されるのかと思いきや、
自動的に「Google翻訳」により日本語で統一表示されています。
(Google翻訳の精度が今ひとつで、翻訳語が正確ではないのですが、どんな事を書いているのかの概要は把握できます)

GoolgeマップからでもGoogleマイビジネスの設定結果が表示される

今回、利用者側の観点から、ホテルから近い飲食店を探したため、
「Googleマップ」アプリから入りましたが、
お店の情報は、「Googleマイビジネス」に登録されている情報にシームレスにつながっており、
お店の「営業時間」も、お店までの「経路」もすぐにわかるため、とてもスムーズです。

ホームページがなくてもGoolgeマイビジネスに最適化すれば集客が見込める

ちなみに、そのお店はホームページを持っていません。
また、あったとしても日本語も含めた多言語で情報を発信しているとは考えにくいですし、
ホームページはサーバやメンテナンスのコストがかかるものですが、
Googleは(今のところ)無料で手軽です。

つまり、ホームページがなくても、
Googleマイビジネスと、(日本の場合はインストアビューもあればより良い)、口コミを誘発できれば、観光客が押し寄せるお店にできるということです。

無論、そのお店の商品力は重要ですが、商品力があれば、それを効果的に必要な人へ伝える手段はあるということです。
海外での事情というだけでなく、インバウンドでも同じことが言えます。
このインパクトは、特に観光地で飲食業を営んでるお店にとって、小さくありません。

日本国内で、飲食店を営んでいる企業がありましたら、ぜひ、Googleマイビジネスの設定を今一度確認してみてください。

【旅中】4つ星ホテル編:観光デジタルマーケティング10

 

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(↑ クラビのバンサイナイ リゾート)

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

前回、5つ星ホテルのデュシタニ クラビリゾートを取り上げました。
5つ星ホテルの宿泊体験が良いというのはある意味で当たり前です。

今回取り上げるのは、4つ星ホテルながら、
(5つ星ホテルを退けて)トリップアドバイザーでエリア1位を取ったホテルが
なぜ1位を獲り得たのか?
について書いてみたいと思います。

まず、トリップアドバイザーの評価システムについてですが、
実際に宿泊した人が感じる、実質的な価値に基づいているということです。

旅慣れている人からのレビューが多いため、
ホテル体験と価格とのバランスが良いホテル、
コストパフォーマンスが優れたホテルは評価が高くなる傾向があります。

そういう意味では、5つ星ホテルは、期待値がそもそも高いだけに、
滞在時にそれを上回る体験を提供するのは至難の業です。

それに対して、4つ星ホテルは、期待値が5つ星ホテルほど高くなく、
価格もこなれているため、トリップアドバイザーでの顧客満足度が高くなる傾向があります。

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(↑ 熱帯の植物のトンネルを超えて行ったところにコテージが現れる)

そんな前提がある中で、
バンサイナイ(ban sainai)は、施設・設備は5つ星ホテルではないですが、
それでも、期待を上回るホテルであったと思います。

下記はそのポイントです。
・クラビ独特の切り立った岸壁がきれいにみられるロケーション
・客室は全てコテージで独立している
・客室が広い(客室によるが120平米以上)
・池の上にバルコニーがあるなど特徴的なコテージもある
・よく手入れされた植栽・花
・サステナビリティを中心的価値に置いたホテル

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サステナビリティというところが、このホテルを魅力的なものにしています。
たとえば、
・連泊のときにタオル、シーツを過剰に交換しない
・シャンプー・ボディソープは、追加できるリフィル式
・朝食のビュッフェと、オーダーのバランス
・太陽光発電による夜間の照明
・ナチュラルな芳香(レモングラスをそのまま切ったもの)
・リユースのミネラルウォーターボトル
・使い捨てではないリユースできる室内履き

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( ↑ 朝食でオーダーした熱々のロティ )

朝食のビュッフェは、数多くの種類のパンやチーズ、ヨーグルトのようなものは好きなように取ります。
それで、あとのメインは注文方式です。
これは、熱々が食べられますし、注文したものは基本的に残さず食べますので、無駄にならないですね。

ビュッフェ形式は、大きなホテルですと、たしかに無駄になりにくいですが、
バンサイナイ程度の大きさの中規模のブテックホテルですと、
ビュッフェ形式では多く作りすぎたものは、取られずに余ってしまい、毎日廃棄がでてしまいます。
そういう意味でも、宿泊客にとっても作りたてが食べられて、廃棄も少なく、とても理にかなっています。

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また、庭の照明は、太陽光発電でした。

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部屋に入った時にレモングラスのやわらかな香りがしたのですが、
芳香剤は使わず、レモングラスを切ったものを利用していました。

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さらに、宿泊客用にミネラルウォーターが客室に用意されているのですが、
通常、500mlのペットボトルですね。

これは、5つ星ホテルでも、どこでもペットボトルです。
私が泊まった中では、はじめて、ガラス瓶のボトルでした。
これもガラス瓶は捨てずにリユースをするためです。

さらに言うと、客室に
「Save the world」という紙があり、過剰な消費を抑制する
ホテルとしてできることがさりげなく書かれています。

コトラーでいうと、マーケティング3.0的な価値観です。
大型ホテルではなく、宿泊客1人1人に手が届くブティックホテルだからできることかもしれませんが、
規模が小さくてもこういう戦い方をすることで、
宿泊客に支持され、人気のホテルになり、クラビで1位を獲得できるということを体現しています。

その上で、トリップアドバイザーに投稿するように促す紙が挟まっています。
トリップアドバイザーに投稿しやすいようにQRコード付きです。

ホテルでの体験が最も重要ですが、ホテルの方向性の表明と、WEBへの口コミの誘発もうまく調和させることで、評価を高めるということが可能だということを示しています。

観光デジタルマーケティング、次回は、レストラン編の予定です。

【旅中】5つ星ホテル編:観光デジタルマーケティング9

 

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こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

本日は、観光デジタルマーケティングの9回目、旅中のホテル編です。
第6回目の時に旅前の段階で、どのようにしてトリップアドバイザーなどのWEBサービスで、
ホテルを選ぶことについて書きましたので、今回はその続きです。

一例として、タイのクラビの5つ星ホテルと、4つ星ホテルについて取り上げます。
デュシタニ クラビ ビーチリゾート(Dusit Thani Krabi Beach Resort)というホテル(5つ星)と、
バンサイナイ リゾート(Ban Sainai Resort)というホテル(4つ星)です。

ホテルは、嗜好品なので、泊まる人の属性によって、良し悪しに大きな違いが出てきます。
バックパッカーであれば、そもそもホテルに滞在するのは寝に帰る程度のため、
価格が安ければ、どのようなホテルでもかまわないというケースもあると思います。

それに対して、40代のファミリーで小さな子連れの場合は、
逆に、ホテルからあまり出ずに、ホテルでの滞在が長くなるため、
レストランやアメニティが充実していて、キッズルームがあるホテルが良いなど、
ホテルに求めるものが増えてくる傾向があります。

そういう意味で、デュシタニ クラビ ビーチリゾート(Dusit Thani Krabi Beach Resort)は、
非の打ち所がないホテルでした。

敷地が広いため、チェックインをした受付棟から宿泊棟へ200〜300メートルくらいの距離を、
ゴルフ場にあるようなカートに乗せて運んでくれます。

宿泊棟からプールへ行く場合も、距離にして200メートルくらいなのですが、
部屋の電話で呼ぶとカートが来てくれて、運んでくれます。

たった200メートルの距離なので、歩いても良いのですが、
東南アジアの強い日差しの下ですと、短い距離であっても運んでもらえるのはとても楽です。

私が宿泊したときには、50代以上の主に欧米系の宿泊客が半分以上でしたので、
これは、体力が落ちてきた人にとって、とても便利なサービスといえます。

また、プールには、バーがあって、
プールに浸かりながら、バーカウンターでビールを飲むなどといった
まさにリゾート気分が味わえるようなサービスもあります。

ホテルから直結したビーチもあり、
宿泊客の他の一般客はほぼいないため、ゆったりと過ごせるといったメリットもあります。

こういった5つ星ホテルの場合、
トリップアドバイザーなどでの評価も高いのはわかるのですが、
4つ星ホテルでもトリップアドバイザーで1位となったホテルは、
さまざまな理由がありました。

その要因とは、何でしょうか?
次回は、4つ星ホテルのバンサイナイ リゾート(Ban Sainai Resort)というホテルについて書いてみたいと思います。

【旅中】航空機編:観光デジタルマーケティング8

 

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

航空機も、ファーストクラスやビジネスクラスですと、旅の印象も大きく変わると思います。
ファーストクラスで座席がフルフラットになれば、
ベッドのように心地よく眠りにつくこともできます。

個人的に、海外渡航は、ほぼエコノミークラスですので、
座席もフルフラットからは程遠く、なかなか普通です。

ただ、航空機が最新ですと、エコノミークラスであっても空間が広めです。

横幅や前後の座席間はほぼ変わらないのかもしれませんが、
天井が高く、それだけで広く感じるから不思議です。

たとえば、過去、ドバイへのフライトで、エアバス380に搭乗したときには、
大型の機体ということもあり、天井が高く開放感があり、
エコノミークラスであっても席がゆったりしていて、
USB充電の電源などの装備が整っていて快適でした。

クラスが同じでも、航空会社や機体によって大きく違いますね。
今回は、タイ航空での渡航だったのですが、
エコノミークラスであっても、当然ながら各座席にスクリーンがあり、映画などのサービスがあります。

逆に、印象深いのは、デルタ航空です。
昨年2017年に、デルタ航空の機体に搭乗したところ、
各座席にスクリーンがありませんでした。

映画が見られないのではないかと思い落胆しました。
2017年時点で各座席にスクリーンが無い機体は珍しいからですね。

そう思ったのは、私だけではなかったようで、
通路を挟んで隣りに座っていた、外国人の男性が、
スクリーンが無いのに気づくやいやな「つまらないフライト(boring flight)」と言って、
すぐにふて寝していました。

映画などのスクリーンによる機内サービスが無いと思ったのですね。

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実は、デルタ航空では、座席にスクリーンは無いものの、
Wi-Fiが通じていて、自分のスマホを使って、映画を自由に見られるという仕様でした。
まずは、専用のアプリをダウンロードします。

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そこから映画ソフトを自由に選んで見られます。

映画などのソフトはデルタ航空が準備していて
自分のスマホやタブレットを使って、自由に見てねということです。

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各座席にスクリーンが無いことは、航空会社にとっては、余分な設備を削減できます。
スマホを持っていない人はほぼいないという時代背景ですので、
機内Wi-Fiでソフトのみを提供する、これは理にかなっているとも言えそうです。

次回は、観光デジタルマーケティングのホテル編に入ります。

【旅中】空港編:観光デジタルマーケティング7

 

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

今回から、「旅中」へと進んでいきます。
「旅中」は、実際の旅行中ということですね。
本日は、空港編です。

デジタル化により、ほぼ全ての業界が恩恵を受けていますが、空港もその1つです。

たとえば、20年前に自由旅行で、海外旅行をしたことがある人はわかると思いますが、
航空券を発行するのに、2度旅行会社へ向かう必要がありました。
1度目は予約、2度目は発券されたチケットの受け取りです。

現在は、国際線であっても、
WEBからチケットを予約すると、チケット自体がなく、
メールでお知らせが来て、そのメールをプリントアウトするか、空港のカウンターで見せるだけでOKと手軽になりました。

つまり、旅行会社のカウンターへ行く手間が不要になりました。

また、国内線では、空港のゲートでスマホのアプリでQRコードをかざすだけの、
チケットレスで搭乗ができて快適です。

さらに、羽田空港などでは、スーツケースなどの荷物を自分で預けられる自動サービスもあり、
省人化も進んでいます。

それだけではありません。
航空会社のスマホのアプリの良いところは、
運行スケジュールに遅延があった場合に、リアルタイムにメールでお知らせをしてくれることです。

これであれば、空港で自分で運行スケジュールのモニターをみて、
遅延を確認しなければならないというような手間がありません。

実際、羽田空港にいる時に、
これから北海道へのフライトというタイミングで、
「飛行機が1時間遅れます」という連絡がメールで届きました。

それであれば、食事をしようということで、空港内のレストランで食事をしていたら、
また、「30分遅れます」という連絡が。

合計1時間半あれば、急いで出る必要がなく、空港のレストランでゆっくりできました。
これは、とても便利ですね。

デジタルで連絡が来ることで、不要な移動のロス(時間と体力)が防げますので、
遅れは嫌なものですが、それを緩和してくれます。

待ち時間についても、
空港の待合室には、スマートフォンやパソコンを充電できるコンセントが標準装備されています。

さらに、ここ数年で、小さな子どもたち向けに、キッズコーナーが充実してきました。

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上の写真のように、床にプロジェクターがあり、投影された箇所を歩くと、花が咲いていくという、
インタラクティブなアートのようでした。

まるで、お台場のチームラボ ボーダーレスの簡易版のような。

子供も面白がって遊んでいて、搭乗までの待ち時間がまったく苦になりませんでした。

このような先端の技術を空港で見せることは、
日本の先進的なテクノロジーを国内外の人に紹介することにもなるので良いですね。

こうしてみると、シンガポールのチャンギ空港もそうですが、
さながら最新のテクノロジーやアートの展示会のようです。

その国へ訪れる人は、空港を利用する人がほとんどだということを考えると、
デジタルを活用することで、スムーズに人を誘導できるだけでなく、
省人化できる上に、人に楽しみも提供できてと、実によく考えられていますね。

次回は、旅中のフライト編の予定です。

【旅前】海外旅行と評価経済 ホテル編:観光デジタルマーケティング6

 

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

本日は、観光デジタルマーケティング編の6回目です。

はじめて行く渡航先の場合、何を信頼してホテルを予約しますか?

たとえば、信頼できる友人が、実際に泊まっていて、おすすめしてくれたら良いのですが、
そんな都合の良いことは多々あるわけではなく、友人の個人的な1体験でしかありません。

そこで、広告よりは信頼に足るという理由で、
多くの人が宿泊をした口コミを参考にすることがあるでしょう。

そのプラットフォームの1つが、トリップアドバイザーです。

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5つ星のホテルであれば、もちろん一定程度以上のサービスが担保されていますが、
たとえば、4つ星でも5つ星レベルのサービスが提供されている場合があります。
また、その分価格もお手頃で、コストパフォーマンスの良いホテルというわけです。

トリップアドバイザーの評価はユーザからの評価なので、
そんなコスパのよいホテルを探せることが多く、有用です。

近年、このユーザからの評価を逆手に取ってヤラセの投稿をするということはあります。

少々横道にそれますが、
たとえば、アマゾンでは、なんだかヤラセっぽい、星5つの投稿に気づいている人もいると思います。

あからさまな場合は、運営側のアマゾンから削除される傾向にありますが、まだありますね。
やはり口コミが1件もないよりも、ヤラセでも1件でもあったほうが信頼感は上がるため、
いたちごっことなっている部分はあります。

1件でも口コミが入っていると、それにつられて、口コミが入ることもありますし、
口コミを見た人が、購入することで、さらにまた口コミがはいるということもあります。

さて、今回、タイのクラビでは、トリップアドバイザーを活用して、
評価の良いホテルを選びました。

2泊ずつ、2つのホテルに泊まったのですが、1つは5つ星ホテル、もう1つは4つ星ホテルです。
4つ星ホテルだけれども評価が高い、地域で1位のホテルにしました。

デュシタニ クラビ ビーチリゾート(Dusit Thani Krabi Beach Resort)というホテルと、
バンサイナイ リゾート(Ban Sainai Resort)というホテルでした。

旅前の楽しみといえば、旅程を考えることと、ホテル選びという人も多いのではないでしょうか。
私も、旅前のホテルをどこにするかは、とても気にします。

大学生の頃のバックパッカー時代には、ホテルは寝るだけですので安宿でよかったのですが、
それから20年も経って小さな子供のいる家族でとなると、
ホテルに滞在する時間が長いため、ホテルによって旅の印象が大きく変わるのですね。

5つ星のデュシタニは、良くて当たり前ですので、おいておいても、
4つ星ながら評価の高いバンサイナイは、フィロソフィーや、経営努力が随所に感じられるホテルでした。
考え抜かれている部分を感じ取ってきましたので、
その結果がどうだったかは、またこのシリーズのブログで書いてみたいと思います。

【旅前】海外渡航先をどうやって決めるか?:観光デジタルマーケティング5

 

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

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( ↑ タイ南部のクラビにて )

本日は、シリーズでお伝えしている観光デジタルマーケティングの5回目です。
今回のテーマは、「そもそも、海外渡航先をどうやって決めるか?」

あなたは、海外旅行するときに、行き先をどうやって決めていますか?

たとえば、、、
・テレビでポルトガル特集をしていて、行きたくなった。
・Facebookで友人がベトナムのダナンのリゾートホテルでのんびりしている写真をみて、自分も行こうと思った。
・友人とカフェでお茶をしていて、週末に行った台湾の話を聞いて、早速航空券を予約した。
・大学の講義で、教員が思い出深いイギリスの話をしていて、夏休みにロンドンに行く決意をした。
・親にハワイ旅行に行くんだけど、一緒に行かないかと誘われた。
などなど、海外旅行にいざなわれる動機は人それぞれだと思います。

ただ1つ言えることは、なにかきっかけがあるはずなんです。

知らない国には、行きようがないということです。
たとえば、エルサルバドルがどこにあるか知らない人は、
そもそも行きたいとは思わないでしょう。

海外旅行のきっかけはさまざまありますが、
近年では、WEBによってもたらされることも増えてきました。

海外旅行となると、仕事をしている人であれば、休暇を取ったり、
渡航費も必要ですので、実際に行くまでには、いくつものハードルがあります。

はじめのきっかけは、テレビやWEBの記事だったとしても、
その後に、SNSで友人が、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズのインフィニティプールの写真をアップしていたら、
行ってみたいと思う人もいるでしょう。

きっかけは、なにか1回とは限らずに、複数回、接触することによって、
行ってみたい気持ちが蓄積していきます。

はじめは受動的に見ていた情報でも、
行きたい気持ちが強くなってくると、自分で検索するようになります。

ここまでが「AISAS」のうち、「AIS」までの流れですね。

検索すると、インターネット上には膨大な情報がありますから、
イメージがより具体的になってきます。

そして、実際に海外旅行をするようになります。

海外旅行先のホテルやレストランの情報を調べるときに、どのWEBサイトを使いますか?

海外旅行であれば、私はあるときから圧倒的にトリップアドバイザーになりました。
4Travelというサービスもあるのですが、
日本のサービスなので、日本人には良いです。

このブログを読まれている方の中にも、そういえば、海外旅行に行く前に、
トリップアドバイザーをチェックすることが多くなったなぁと思われている方も少なくないのではないでしょうか。

トリップアドバイザーは、世界的なサービスなので、情報が膨大です。
また、ランキング形式でホテルやレストランが紹介されているため、
ホテルやレストランを決めるときに便利です。

トリップアドバイザーは、ユーザの評価によってランキングが決められているのがポイントです。
そのランキングによって、ホテルやレストランの売上は大きく影響を受けていると考えられます。

その意味で評価経済ともいえます。
次回は、評価経済としてのトリップアドバイザーについて書いてみたいと思います。