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「アルコール77」とコロナ時代のマーケティング

2020年05月08日

alchol77

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

たまたま家の近くの店舗で「アルコール77」が売られていました。

WEBニュースで発売されていること自体は、情報として知っていましたが、店頭で見たのは初めてでした。
そして目に入った瞬間、買い物カゴに入れてましたw

高知県の菊水酒造というメーカーが作ったアルコール除菌にも使えるスピリッツです。
表向きは飲料として流通しています。もちろん飲むこともできます。
(実際に試飲がてら飲んでみましたが、レモンのような香料もほんのり入っており、おいしくいただくことも可能ですw)

むろん飲料用ではなく消毒用として使うわけですが、誤って少量飲んでしまっても害がないので安心です。
これをそのままスプレーボトルに詰めてアルコール消毒剤として使います。

やはり「アルコール77」の素晴らしいところは、普段は飲料を提供する酒造メーカーが、このコロナという事態に直面し、市中の消毒用アルコールがほぼ無いことに気づき、それを提供しようと決断して、試作し、商品化し、そして圧倒的なスピードで実際に流通させたことです。

この「アルコール77」の動きは、他の酒造メーカーにも広がっており、「アルコール70」とか「アルコール65」などが発売されており、アルコール除菌剤が不足しているこの事態を緩和してくれています。
社会が危機に直面したときに、何が自分の会社でできるかと真剣に考えて、課題を見つけ、迅速に解決策を提供していることが何よりも素晴らしいです。

ドラッカーによれば、マーケティングの目的は「セリングの必要をなくすこと」であり、マーケティングとは「売れる仕組みを作ること」です。
価格は、高く売ることもできるのに、酒税を含めて1,200円+消費税ですから、全くもって良心的です。好感を持って受けられる商品で、こういった製品が今、目の前にあったら多くの人はこぞって購入します。

菊水酒造が作ったこの一連の流れが、コロナ時代を象徴する事例になりそうな気がしています。
この秀逸なことを何という言葉で表せば良いか、「利他」というと、きれいすぎるので、やはり「情けは人のためならず」かなと思います。
または「インクルーシブ」と「保和」。

コロナ時代に入り、マーケティングの有り様が変わりました。
社会環境を良くするために何が提供できるかと考え、素早く行動をとった人や企業に回り回って利益をもたらしますね!