こんにちは、カティサークの押切孝雄です。
大学の講義部分も前期が終了しました。
コロナ渦で急遽始まったオンデマンド講義は、講師としても実に興味深いものでした。
260名超の受講生がおりましたが、
毎週、学生のコメントも紹介してフィードバックも行いました。
昨年までのリアル講義以上に、オンデマンドの良さを活かせたと思います。
私が受け持っているのは、経営学部の学生のための講義なのですが、
他学部の学生が受けるということがあります。
いわゆる「他学部履修」ですね。
例年であれば、他学部履修の場合には、キャンパスが違うため、
受講するために1時間離れた文京区のキャンパスへやってくる必要がありました。
しかし、今年は、キャンパスが違っても、自宅から受講できるので、他学部履修の学生は利便性が高かったようです。
また、学生のアンケートを見ていたところ、自宅で受講できるということで、
「(講義動画を)お母さんと一緒に見ました」とか「弟と一緒に受けました」というものもありました。
昨年までなら、大学の講義は学生本人だけが受講するものでしたが、今年は学生だけでなく、ご家族も一緒に受講されたパターンがあったんですね。
そして今、採点をしています。
学生には、毎回の講義の後で、クイズや感想を書いてもらいました。
また、中間レポートも提出してもらいました。
そして、期末テストも行いました。
これらを200人以上分、採点していきます。
テストの一部は自動採点ができるものの、レポートはすべて読んでいきます。
1つのレポートを1分で読んだとしても、3時間以上の時間がかかります。
2分で読んだら、6時間以上ですね。
受講生が多いため、採点になかなか時間がかかりますが、
新型コロナウイルスの世の中で、学生も本気で受講してきましたので、
採点もまた、公正に真剣に行っています。
来年もオンデマンド講義が継続されるかわかりませんが、
継続された場合には、大学生を中心にその家族がみても参考になる点があるような、子供から大人まで誰が見ても参考になるような内容を提供していこうと思います。
こんにちは、カティサークの押切孝雄です。
先日ミヤギテレビの番組「ミヤギnews every.」にてYouTubeに関する特集があり、遠隔にて取材協力をしました。
テーマは「YouTubeの可能性」で、仙台のご当地YouTuberや、宮城県在住で人気が全国区の家族YouTuber、さらに宮城県警のYouTube活用に関して事例が紹介されました。
そこに、専門家の話として、私へのインタビューが挟まる構成でした。
在京キー局の場合は、ADやディレクターから問い合わせが来るのですが、地方局は若手アナウンサーがリサーチから取材対象へのインタビュー、そして出演までをこなす傾向があります。
今回の「ミヤギテレビ」だけでなく、「中京テレビ」の時も若手のアナウンサーがジャーナリスト的な動きをしていました。
今回もアナウンサーから直接問い合わせをいただいたのですが、放送中に話している言葉がアナウンサー自身の取材を通した咀嚼された言葉なので、放送を見ていても信頼感があります。
ちなみに取材はzoomではなくFaceTimeでした。
下記に、取材時に用意した内容を紹介します。
日常的に接しているメディアであり、影響力は大きい
東京の大学生200名超へのアンケートを取ったところ、毎日YouTubeを見る人75%、2日に1回を含めると、約9割がYouTubeに接している。
逆に、YouTubeをほとんど見ない人は3%程度しかいない
(アンケート:200名超、大学2年〜4年生、男女半々、2020年6月中旬)
大学生だけでなく、未就学児から大人まで広く視聴されている。
小学生の「なりたい職業ランキング」の上位に入る、あこがれの職業となっている
ちなみに、2005年にYouTubeがスタートしてから、今年2020年で15年になる。
娯楽面でも、ビジネス面でも、教育面でも、採用面でも、可能性はとても大きい
直近のデータ:コロナ渦で、YouTubeの視聴が増えたと答えた大学生7割以上
(東京の大学生200名超へのアンケート結果)
コロナ渦での事例:
教育の事例:これまで通学して相対で行っていた幼児教室が、コロナ渦により自粛となったが、
YouTubeの限定公開機能を活用して、自粛中も学びを止めなかった。
子どもたちは、自宅で学習を継続できた。
習い事の事例:ダンス教室で、通学ができなくなったが、ライブ配信(インスタライブ)を行った。
芸能人によるYouTubeチャンネル開設も増加している
(たとえば、小島よしおの小学生向けの学習チャンネル「小島よしおのおっぱっぴーチャンネル」)
https://www.youtube.com/channel/UC-46-Tim9-pbw6BfG6bBnmA/videos
宮城県在住のユーチューバー家族「れのれらTV」
https://www.youtube.com/channel/UCw3RCydc5_K74047gunkeaw
一般の方が簡単に世の中に情報発信できる世の中になったことについて
YouTubeは、万人に開かれているので、誰でも情報を公開できる。
YouTubeであれば、無料で世界に発信できる。お金がかからない。
人気になれば稼げる(後述)。
YouTube発の有名人(YouTuber)も多数出現している。
ジャンルは実にさまざま
これまで、WEBサイトで写真と文で紹介されていたコンテンツも動画化している。
たとえば、「料理レシピ」も家電などの「レビュー」も動画の時代になった。
専門性がある人が情報を公開していくのに向いている。
ただし、人気になるかどうかは別問題。
かつては、単発での面白さで良かったが、現在は、継続してコンテンツを作っていくチャンネルであるかが重要
これまでは、テレビではやりにくいような、過激な映像・言動の動画も散見されたが、
YouTubeでも規制がかかってきており、現在は過激さではなく、クオリティに転化してきている。
芸能人や一流スポーツ選手によるYouTube参入が相次いでおり、
現在は、YouTuberの数が多く、過当競争に陥っている。
やはり、また見たいと思わせるオリジナルコンテンツであることが重要。
視聴者を飽きさせないために、動画の制作スキルが必要であるが、
動画の制作スキルがなければ、外注すれば良い。
ただし、費用はかかる
専門性が高く、トーク内容で勝負するのであれば、編集は最小限で、凝った動画にする必要はない。
事例:メンタリストDaiGo
https://www.youtube.com/user/mentalistdaigo/videos
事例:山本一郎やまもといちろう
https://www.youtube.com/channel/UCYngjP_3hOC-yu2A077rKbQ
YouTuberという意味では、狭き門です。
成功しているYouTuberは毎日動画をアップしている者も多く、クオリティの高いコンテンツを日々量産するのは簡単ではない。
目指して成功するのは100人に1人いるかどうか
企業動画という意味では、会社の情報をYouTubeで公開して、売上につながるということはあります。
多くの企業で実施されています。
事例:PlayStation Japan
https://www.youtube.com/channel/UCaghC0OZwAdidMrbvxkcrPg
YouTubeに動画を公開する企業が増えているので、
動画制作の会社も増えている
また、YouTube向けの事務所や、PR会社など、
YouTubeの周辺産業が盛り上がってきています
宮城県警 初の「採用動画」
コロナ禍により予定していた採用説明会などができず苦肉の策で始めたそうですが
普段見られない警察官の一面が見られてちょっと話題になりました。
https://www.youtube.com/channel/UC-Q7GgeTZXKbIeorVu5e0jQ
就職採用などにもつながるYouTubeの可能性などについて
採用動画や企業の動画をYouTubeで見たことのある人:45%(東京の大学生200名超へのアンケート結果)
2年生がメインの講義アンケートでも4割以上の学生が企業の動画を見たことがあると答えた
就職活動をする4年生だけをアンケート対象とすれば、なおさら増える
第一志望の会社の情報は長くても見る傾向がある
採用も動画化
プロモーションビデオのようにきれいな動画ではなく、手作り感のある動画の方がむしろ、実際に働く人のチームワーク、仲の良さ、関係性が感じられる
「警察には夢がある」動画も、動画の撮影・編集自体は手作り感があるが、シナリオと構成がよく練られている。
就職活動する人は、どんな仕事をするかだけでなく、どんな人が働いているのか、実際に働いている人たちのことを知りたい。
従来、WEBサイトでは、先輩紹介などのコンテンツは人気があり、閲覧数の多いコンテンツである。
これは動画でも同じ。
写真と文字のWEBコンテンツだけでなく、動画の方がより情報が多い。
企業の志望者にとっては、より深く知る機会になる。
利用者としての使い方:
エンタメから学習コンテンツまで多種多様にある。
動画を見始めると、ついつい見すぎてしまい、時間が経つのを忘れてしまうもの。
時間がいくらあっても足りなくなる。
「再生速度」の調整ができるので、再生速度を1.25倍とか、1.5倍とか早めて視聴すると、時間を有効に使える。
中毒にならない程度に上手に付き合ってみては
人気のYouTuberとなれば、職業として生活できる金額にはなる。
収入は3つ
1: 広告モデル
YouTubeからの広告収益
チャンネル登録者数1000人以上、総再生時間4000時間(年間)以上の場合に広告をつけられる
→個別に異なり、チャンネル登録者数、動画の本数と、長さにもよるが、
毎日投稿しているチャンネル登録者数10万人のYouTuberで、月額広告収入が100万円程度の人もいる(年収換算で1200万円)
チャンネル登録者数100万人では、数千万円から1億円を超える場合もあると想定できる。
ただし、広告収入のため、上振れ、下振れはある。
2: 企業案件
企業からのタイアップ案件(事務所を通す場合と、所属事務所がない場合は直接での依頼がある)
事務所を通す場合は割高になるが、適切なYouTuberを紹介してもらえる
3: 他メディアへの露出
出版、イベント、テレビなど
こんにちは、カティサークの押切孝雄です。
先日、お問い合わせから連絡いただき、
テレビ局からの取材を受けました。
「YouTube動画の進展」に関することです。
今週ある地方局制作の番組にて、特集があるようです。
テレビの場合は、取材があっても当日大きな事件などがあると無くなることもありますので、
現時点では、まだ、どの番組かは書きません。
首尾よく放送されましたら、その経緯や内容などについても書いてみたいと思います。
ちなみに、テレビ局からの問い合わせだけでなく、新聞や雑誌などからの取材もコンスタントにあります。
YouTubeに関することが多いのですが、
やはり『YouTubeビジネス革命』(毎日新聞社)という本を2009年という早い段階で書いていたことと、
大学で講師もしていることなどから、メディアから取材対象としてご連絡いただくことが多いようです。
また、取材を受けた場合に、このブログや、「メディア掲載」ページにまとめていることで、
取材するメディア側も、私が取材に対応する人だということを認知するようです。
取材が取材を生むという循環があるのですね。
オンエアが今週ですが、東京では放送されないため、該当部分の映像は後日お送りいただく予定となっています。
来週には放送の模様を確認できると思いますので、
詳しくは、またこのブログにて書いてみたいと思います。
こんにちは、カティサークの押切孝雄です。
大学で開講している「WEBマーケティング」講義が今年で10年目に入りました。
今年はコロナウイルスの影響で、1回目の講義が2020年5月のGW明けとなりました。
オンライン講義にて大学生にSNS利用に関するアンケート調査を実施しました。
アンケートの第一弾がまとまりましたので、シェアいたします。
2020年の対象は、東京23区内にある大学の主に経営学部の2年から4年生です。
履修者は約260名超へと増えました。
うち2020年のアンケートの有効回答数は253です。
今回のアンケートは、デバイス(パソコン、スマホ、タブレット)の所有率と、
SNS(Twitter、Facebook、Instagram、LINE、TikTok)のアカウント開設率についてのアンケートです。
はじめにTwitterアカウントの保有率からみていきましょう。
2020年のTwitterアカウント所有率は91%でした。
Twitterに関するアンケートは2013年からとっていますが、
この間、低い年で83%、高い年は95%の間を推移しており、全期間にわたって8割以上と高位で安定しています。
社会人では、Twitterは毎日利用する人としない人で比較的はっきり分かれると思います。また、Twitterは過去に使っていたけれど、今は使わなくなって久しいなという人も相当数いるのではないでしょうか。
これが、
大学生となるとTwitter利用は活発です。
ニュースはニュースアプリではなくTwitter、
検索は、Google検索ではなくてtwitterで検索をする学生もおります。
Twitterは、大学生が利用しているSNSのド定番といえそうです。
続いて、Facebookです。
Facebookは、2011年から10年間アンケートをとっていますが、
2014年の76%をピークにして下落が続いています。
2020年は26%と、ついに4人に1人まで下げました。
やはり、大学生にとっては、自分のお父さんが使っているSNSで私生活をさらすのは抵抗があるというのは理解できます。 Twitterと違ってFacebookは実名制という点もハードルが高い要因になっています。
続いてInstagramです。
Instagramは大学生の間でのFacebookの凋落とは裏腹に拡大が続いています。
アンケートを取り始めた2015年から一貫して増加して、昨年2019年には90%に達しました。
そして今年2020年は86%という結果でした。
四捨五入すれば9割ですので、大学生にとっては、Twitterと並び2大SNSといえます。
写真がメインということと、芸能人などの著名人も活用しており、
華やかなものや現在のトレンドをキャッチアップするのに活発に利用している実態が見て取れます。
つづいてLINEです。
LINEの2020年は、100%という結果でした。
日本人の学生はほぼ持っています。
海外からの留学生はLINEにアカウントを持っていないこともあります。したがって、
これは留学生の人数とも関係します。
今年2020年は、コロナウイルスの影響で日本へ渡航できない関係で、海外からの留学生が限定的ですので、高いLINEアカウント率となりました。
さて、つづいてはTikTokです。
TikTokは、昨年2019年からアンケートを取りはじめて今年で2年目です。
2019年に38%で、今年2020年は37%ですから、横ばいですね。
3人に1人程度です。
9割前後のInstagramやTwitterとは大きな開きがあります。
TikTokは大学生というよりは、もう少し若年の高校生に人気なのかもしれません。
とはいえ、キャズムは超えていますから人気アプリには違いありません。
次は、パソコンの所有率についてみていきましょう。
パソコンについては、家族のパソコンではなくて、自分のパソコンを持っているかどうかのアンケートです。
「自分のパソコンを持っている」と答えた学生は、例年5−6割程度で推移していたのですが、今年は8割へと増えました。
やはり今回のコロナウイルスの影響により、自分のパソコンを購入した学生が増えました。
スマートフォンがこれほどまでに使いやすくなった現在で、自分のパソコンがなくても事足りるといえばそうかもしれませんが、 やはり勉強をするなら、パソコンがあったほうが画面も大きくキーボードもありますので、格段に仕事効率は良いだろうと思います。
つづいてスマートフォンです。
スマートフォンの保有率は、100%です。 朝起きたら顔を洗うように、家を出るときは靴を履くように、スマートフォンは日常に欠かせないガジェットとなって数年がたちました。
そこで、今年2020年は、iPhoneか、Androidのスマホなのかを聞きました。
すると、iPhoneが94%でした(アンドロイドは6%のみ)。大学生はiPhone好きなんですね!
これは東京の大学に在籍している学生に限ったことなのか、日本全国で同じ状況なのかは興味があります。もし東京以外の都市で教えられている教員の方がおられましたら、ぜひアンケートをとって、結果をシェアくださいませ。
ちなみに、現在の大学生がはじめてスマートフォンを持ち始めたのがいつなのか? 中学生になったときに買ってもらったのか、小学3年生の時にはすでに親から防犯のため持たされたのか、 そのあたりは、別の週にアンケートを取る予定でおりますので、 結果が出てまいりましたらまた別途シェアしたいと思います。
タブレットの普及率は2020年は20%でした。
この数年は20%台であり、それ以上上昇する気配はありません。
たしかに、iPad proは新聞の画面も収まって紙の新聞いらずになりますし、
アップルペンシルで手書きできて使いやすいです。
ただし、大学生にととっては、タブレットは、大きな画面のスマホという位置づけを脱しきらず、
ファーストチョイスはスマートフォン、
セカンドチョイスはパソコン、
そして、サードチョイスにタブレットという実態が見て取れます。
ちなみに、スマートウオッチやVRのヘッドセットは、フォースチョイス、フィフスチョイスですね。
今年2020年は、私が大学で教えている「WEBマーケティング」講義もオンラインとなりました。
そこで、1回目に「講義動画を見たデバイス」を聞いたところ、「自分のパソコン」からが62%、「家族のパソコン」が10%で7割がパソコンからでした。また、タブレットも8%おりました。スマホからが2割ですね。
「自分のパソコンを持っている」学生が8割いるのに、そのパソコンを使って実施に講義を見た学生は62%にとどまっているところは気になります。宝の持ち腐れとならないように有効活用するように2回目の講義動画で伝えたところです。
また、スマホからの視聴が2割おりますので、小さな画面でもはっきり読めるように講義スライドの文字を大きくするなどの対応が必要です。また別途、講義資料PDFを配布するようにしています。
2020年のSNSとスマホなどのハードウエアのアンケートをとってみて、
特にSNSは年々使う人が増えていくものと、そうでないものの潮流が見て取れました。
SNSでは特に、多くの人が使えば使うほど利便性が増す、ネットワーク効果があります。
逆に、使われないSNSは、利便性が低下します。
現在の大学生にとって、SNSは気軽に匿名でも投稿できるTwitterと、画像がメインのInstagramが双璧です。
LINEはクローズドなコミュニケーションのインフラといえます。
今年2020年は、オンライン講義で、教員は講義動画を収録して、大学のクラウドに公開してと、何かと時間がかかっております。ただ、オンデマンドでの配信ですから、何度でも再生できます。学生によっては、リアル講義よりもオンデマンド講義の方が利便性が高いと感じている人もおります。
ベストな講義内容を提供するための試行錯誤は続きます。
来年2021年も機会がありましたらシェアいたします。
ちなみに、大学の「WEBマーケティング」講義で教科書として使用している書籍がこちらです↓
Kindle unlimitedにも入っていることが多いですので、合わせてご活用ください。

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。
コロナを体験することで企業のマーケティングが激変しました。
何がどのように変わったのでしょうか?

本日はコロナ下で挑戦をつづける企業をパターン分けしつつ、象徴的な事例を複数見ていきたいと思います。
◆酒造メーカー→アルコール77(消毒にも使えるアルコールを製造)
◆帆布メーカー→スピーネーカーガウン(医療用ガウン製造)
図の右上の第1象限を見てください。
もともとある技術や場所等の資産と、それらのサービスを転用進化させたパターンです。
これは、たとえば「アルコールの77」が代表例です。
高知の菊水酒造が発売したアルコールですね。
酒造メーカーがアルコール除菌剤としても利用できる商品を発売するということで、WEBニュースなどでもひときわ注目されました。
これらは企業の対応がとても早いばかりでなくどのようにしたら困っている人たちを助けられるかという姿勢が分かります。
その後、多くの酒造メーカーにも同様の動きが見られました。
企業のコロナ対応・進化として模範的なパターンといえます。
また、帆布メーカーの「ノーセールジャパン」が、「スピネーカーガウン」という医療用ガウンを製造販売をはじめました。これも帆布という素材を転用・進化させたパターンといえます。
◆APAホテル→リモートワーク向けの客室の貸し出し
◆TKP→リモートオフィス
◆串カツ田中→店先で野菜セットの販売
続いて、場所資産の転用・進化です。
APAホテルが、リモートワーク向けにホテルの客室を4泊5日で1万5000円から提供をしています。
多くのビジネスマンは、家でリモートワークを強いられているわけですが、子供がいたり、書斎がなかったりすると、なかなか自宅で集中して仕事をすることが難しいです。
その問題を解決してくれるサービスです。
インバウンドの海外からの観光客や、出張が大幅に減っていて、ホテル需要が急減していますので、困っているリモートワークビジネスマンを助け、空いた客室を有効に活用する方策ですね。
また、貸し会議室のTKPが、リモートワーク用に1人から使えるサテライトオフィスの提供を開始しています。
貸し会議室は、大勢の人が集まるカンファレンスが軒並み中止や延期を余儀なくされている中ですので、
うまく転用・進化させた事例といえます。
場所という資産を、どのようにして現状にフィットするように転化するかという点で、果敢に動いた企業ですね。
さらに串カツ田中ですが、店内での飲食が、午後8時までに自粛を要請された中、店先という場所を最大限に活用する戦術をとっています。
串カツのテイクアウト販売だけでなく、野菜セット1500円などを店頭の場所にて売っています。
もともとお店がある場所は人通りがある場所ですから、場所という資産を活用し、売り物を少し変えている事例といえます。
図の右下の第4象限を見ていきましょう。
◆東進ハイスクール→非会員へコンテンツを無料開放(期間限定)
◆学研→コンテンツを無料開放(期間限定)
これまでの資産をそのまま活用するという軸と、もともとある資産(技術や、モノや、場所)との関連が強い軸です。
「東進ハイスクール」や「学研」などのコンテンツ・サービス企業が該当します。
現在、WEBで登録をすると、無料にてコンテンツが見られます。
これまで会員でなかった人にコンテンツをオープンにしますので、従来から行っているサービスの延長線として提供できます。
ユーザーにとって見れば、大きなお試し期間ともなります。
これまで有料のサービスが無料となりますから、そして期間限定となりますので多くのユーザを集めます。
たしかに無料ですが、それをきっかけにそのサービスの良さを知り有料会員になることはおおいにあります。
フリーミアムのパターンといえます。
最後に左上の第2象限を見ていきましょう。
◆居酒屋→手作りマスクを製造
元々ある技術やモノ、場所とは関係が薄いが、サービスを提供している象限です。
これまでおこなってきた事業と全く違うサービスを提供している企業があります。
たとえば、居酒屋がマスクを手製し、それを販売するというものです。
これはもともと居酒屋が持っていたノウハウや場所は関係ありません。
しかし居酒屋に勤めていた人はいますので、人的資産を活用してマスクというその時点で最も求められている物を生産し提供するということです。
コロナウイルスによる自粛を機に、多くの企業がそれぞれのやり方で舵を切っています。
たしかに、これまでのやり方で売上が急減するなど、ピンチなのですが、
困っている人を助ける方法を考えて、そこに解決策としてサービスを提供すると、
逆にチャンスになるという事例を挙げました。
まだまだ混迷を深めるコロナウイルス下ではありますが、ニューノーマル時代のマーケティングは、
「情けは人の為ならず」で、人のためにかけた情けは、回り回って自社(自分)に返ってきます。
どうしたら自社の持つ資産(技術・モノ・場所など)を活用して、他者(他社)を助けられるかと考えると、その糸口が見つかると思います。
もしあなたの会社でそんなアイデアや取り組みがあれば、ぜひお知らせください。
こんにちは、カティサークの押切孝雄です。
コロナ時代は大変革時代で、通常であれば10年かけてゆっくり起こることが、一気に1年で起こっています。
「新しい通常・常態」がニューノーマルです。
現在起こっているnew normalとは何なのか?
「ニューノーマル マーケティング」というシリーズで何度かに分けて書いてみたいと思います。
第1回目の今回は、何がどう変わっているのか?
今起こっている現状を把握していきましょう。
◆動画・映像系WEBサービスの拡大
YouTube
Netflix
Hulu
◆物販系実店舗の売上
スーパーマーケットの売上
コンビニの売上
ドラッグストアの売上
ホームセンターの売上
◆ECの売上
Amazonの売上
楽天市場の売上
D2C WEBショップの売上
上記に関しては、コロナ下で誰もが納得していることではないでしょうか。
巣ごもりがちになりますので、自宅で消費できるモノやコトに時間とお金をかけるようになります。
◆会社・仕事
オフィスワーク → リモートワーク・テレワーク
リアル会議 → オンライン会議(Zoom、Teams)
会社(の立地、ビルの設備・新しさ、広さ)が重要 → 家(の大きさ・快適さ)が重要、都心でなくてもよい
◆教育・大学など
大学講義 → オンライン講義・オンデマンド講義
塾(対面) → オンライン
◆社会
居酒屋 → オンライン飲み会
複数人で行うスポーツ → 1人でできるジョギング
紙の書籍 → 電子書籍
紙の雑誌 → 電子マガジン、WEBサービス
医療(リアル診療) → オンライン診療
上記の中には、コロナが収束したあとで揺り戻しが来てもとに戻るものもあるでしょう。
複数人で行うスポーツはコロナ下ではできませんが、コロナを克服したあとではできるものです。
しかし、一度変化してしまえば、あとは元に戻れないものもあります。
たとえば、リモートワーク・テレワークは、企業によって考え方が異なるものの、
パソコンを活用して仕事をしているビジネスマンの場合、
一度定着すれば、ずっとリモートワークを続けたくなるものです。
私自身も、コロナが社会を覆う5年前から、リモートワークをしており、
会社に出社することは月に数回しかありません。
会社に行かなくてはできないことは、バックオフィス業務がメインですから、
実はあまり会社に行かなくてよいことに気づいたビジネスマンは多いのではないでしょうか。
それよりも、満員電車に乗らず、心身ともにストレスのない環境で働けることの方が生産性を高めてくれるため重要です。
◆イベント(スポーツ、音楽ライブ) → YouTubeなどでの無観客配信、VR
◆展示会(東京ビッグサイトなどでのリアルの会場) → オンライン展示会
上記は、まだ、テクノロジーが追いついておらず、すぐにできる状況ではないですが、
5Gがこの数年で広まっていきますので、この数年で劇的に変化していくと考えられます。
また、イベントも展示会もライブの良さがありますので、無くなりません。
リアルの展示会会場で行うだけでなくて、同時にオンラインでも展示会が行えるという、選択肢が増えていくイメージです。
コロナウイルスによるニューノーマルは、社会をオンライン化へ強くシフトさせました。
2020年初までZoomは一部の人が使うものでしたが、半年たたずに多くのビジネスマンのみならず、
大学生向けのオンライン講義から、小中学生の学習塾、主婦友達のやりとりにまで広く活用されるツールとなりました。
多くのビジネスにとって、たいへんに厳しい時期ではありますが、
その中でも、「オンライン化」という、これからの方向性が垣間見られます。
ニューノーマル時代のマーケティングの姿について、
また次回以降にも紹介いたします。
こんにちは、カティサークの押切孝雄です。
「小規模事業者持続化補助金」とは、日本商工会議所や全国商工会連合会の支援を受けながら 最大で50万円の補助金がもらえるという制度です。
(ただし、申請すれば必ず受けられるわけではありません。後述します。)
小規模事業者限定となりますが、
「小規模事業者持続化補助金」という補助金の申請ができます。
最大50万円まで補助されます。
また、補助率も2/3と高いです。
たとえば、事業を強くするために、パンフレットやチラシの制作や、
ポスティングなどの販促をすることがあると思いますが、
そんなときに、この小規模事業者持続化補助金が受けられます。
また、ホームページの制作での申請も可能です。
すると、75万円のホームページなら、満額の50万円が戻ってきます。
実質的に25万円で制作が可能です。
大変にお得な制度といえます。
ただし、小規模事業者でないと申請できません。
小規模事業者とは、常時使用する従業員数が20人(商業・サービス業は、5人)以下の商工業者となります。
また、申請をすれば必ず通るというものではなく、
厳格な審査があり、審査に通れば受けられます。
弊社カティサークでも申請が通った実績があります。
申請書を作るのに商工会議所の窓口へ複数回相談して作り上げました。
ただし、今年はコロナウイルスの関係で窓口相談は制限されている場合があります。
ホームページ制作で見積が必要な場合はお知らせください。
お見積書の提出が可能です。
今年は、これから3回の申請期限があります。
第2回目の締切期日は2020年6月5日、
第3回目の締切が2020年10月2日、
第4回目の締切が、2021年2月5日となっています。
小規模事業者持続化補助金の申請は、商工会議所が窓口となっています。
申請に通れば、事業を強くするためにメリットのある補助金ですので、
最寄りの商工会議所にお問い合わせして、申請してみてください。
こんにちは、カティサークの押切孝雄です。
GW明けから大学講義が開始され、1回目の講義が終わりました。
試行錯誤の連続ですが、1週目を終えて、分かってきたことがあります。
今回は、その内容をシェアします。
オンデマンドの有用性については、前回のブログでも書きました。
これは、文句のつけようがありません。
教員は動画を撮影・録画して、動画を複数本に分割するなどの編集をして、
クラウドにアップロードしてと、自力でやらなければならないため、
通常の講義室での講義とくらべて準備に時間がかかります。
ただ、学生のアンケート結果をみても、多くの学生がオンデマンドが便利だったと答えており、
利便性が高いのは間違いありません。
聞き逃した部分があって戻って何度でも再生できるところが良いようです。
また、ライブの講義の場合は、教員は学生の顔を見ながら、
学生が理解してなさそうなところは、繰り返して説明しますが、
オンデマンドの場合は、学生が自分で理解していない部分を自ら繰り返し再生して理解に努めてくれますので、
教員がオンデマンド上で繰り返して説明する必要がありません。
最後の「まとめ」のスライドで重要な箇所を再度言う程度で済みますので、
講義時間の節約にもつながります。
講義動画にでてくるスライドはすべてPDFにして配布するようにしています。
すると、受講生はパソコンの画面で動画とレジュメPDFを並列に開いて講義を受けられます。
家のネットの環境が脆弱で、動画が見られない学生がいる場合でも、
レジュメPDFを見れば内容がわかる程度に、通常よりもレジュメの枚数を多くします。
これまでの講義で当たり前だった、写真や画像をスライドに載せて、
口頭で説明するようなスライドは、PDFだけで見た時に理解しにくいですので、
写真や画像を補助する文章も簡潔に入れるようにします。
ただ、パソコンからだけでなくて、スマホから受講している学生がいるのですね。
履修者が260名超いるのですが、1回目の講義でアンケートを取ったところ、
スマホから受講している学生が約2割程度おりました。
スマホの小さな画面からでもスライドの文字が見られるように、
100ポイントくらいの大きな文字で、
4行まで(スライドのタイトルで1行、箇条書きの内容が3行まで)としています。
また、色についても、背景色を白、文字色を黒にして、コントラストがはっきりするようにします。
90分の講義の場合、動画は1時間くらいまでが適切な長さではないかと思います。
動画は教員にとっても制作に負荷がかかりますが、受講する大学生にとっても視聴に何かと負荷がかかります。
通信環境によって動画の再生が途中で止まってしまったとか。
そこで、極力エラーをへらすために動画は分割します。
60分の講義動画を4分割し1本15分前後になるようにしました。
講義は90分ですので、約30分のワーク(クイズ、アンケート)を入れました。
1回目の講義を終えて、学生のアンケートを見ると、
初回で慣れが必要であるものの、オンデマンド講義に対して、
おおむねポジティブな内容でした。
4年生の就職活動で企業とのオンライン面接の時間と、
講義の時間が重なったとしても、
講義の方は夕方や夜の時間にタイミングをずらして受講できるなどのメリットもあります。
ほとんどの大学では、全面的にオンライン講義となるのは、今年がはじめてですから、
教員の側も試行錯誤の中でベストを探っていくプロセスとなります。
機会がありましたら、また、シェアします。
こんにちは、カティサークの押切孝雄です。
たまたま家の近くの店舗で「アルコール77」が売られていました。
WEBニュースで発売されていること自体は、情報として知っていましたが、店頭で見たのは初めてでした。
そして目に入った瞬間、買い物カゴに入れてましたw
高知県の菊水酒造というメーカーが作ったアルコール除菌にも使えるスピリッツです。
表向きは飲料として流通しています。もちろん飲むこともできます。
(実際に試飲がてら飲んでみましたが、レモンのような香料もほんのり入っており、おいしくいただくことも可能ですw)
むろん飲料用ではなく消毒用として使うわけですが、誤って少量飲んでしまっても害がないので安心です。
これをそのままスプレーボトルに詰めてアルコール消毒剤として使います。
やはり「アルコール77」の素晴らしいところは、普段は飲料を提供する酒造メーカーが、このコロナという事態に直面し、市中の消毒用アルコールがほぼ無いことに気づき、それを提供しようと決断して、試作し、商品化し、そして圧倒的なスピードで実際に流通させたことです。
この「アルコール77」の動きは、他の酒造メーカーにも広がっており、「アルコール70」とか「アルコール65」などが発売されており、アルコール除菌剤が不足しているこの事態を緩和してくれています。
社会が危機に直面したときに、何が自分の会社でできるかと真剣に考えて、課題を見つけ、迅速に解決策を提供していることが何よりも素晴らしいです。
ドラッカーによれば、マーケティングの目的は「セリングの必要をなくすこと」であり、マーケティングとは「売れる仕組みを作ること」です。
価格は、高く売ることもできるのに、酒税を含めて1,200円+消費税ですから、全くもって良心的です。好感を持って受けられる商品で、こういった製品が今、目の前にあったら多くの人はこぞって購入します。
菊水酒造が作ったこの一連の流れが、コロナ時代を象徴する事例になりそうな気がしています。
この秀逸なことを何という言葉で表せば良いか、「利他」というと、きれいすぎるので、やはり「情けは人のためならず」かなと思います。
または「インクルーシブ」と「保和」。
コロナ時代に入り、マーケティングの有り様が変わりました。
社会環境を良くするために何が提供できるかと考え、素早く行動をとった人や企業に回り回って利益をもたらしますね!
こんにちは、カティサークの押切孝雄です。
コロナウイルスによる自粛により、さまざまな分野で大きな打撃があります。
たとえば、リアルに教室を運営していた企業や人たちは、コロナで喪失感を味わいました。
卑近な事例として、私の子供がダンスを習っているのですが、
このコロナウィルスによる自粛により、リアルでのクラスのレッスンがありません。
そこで、ダンスの先生たちはインスタライブでイベント的にレッスンを行いました。
これなら、スマホにオンラインで表示して家でダンスのレッスンが受けられます。
(オンラインヨガのような感じです)
さらに、レッスン後には先生たちのトークがありました
(ダンスに関することだけでなく海外の話など幅が広い)。
これはリアルレッスンのときに無いもので、(小一時間ほどあるので、うちの場合はラジオ代わりに炊事をしながら聞くというような感じになりましたが)リアルの時よりも、むしろより深く信頼関係を築くことができるツールのように感じられました。
インスタライブはUIがよいですね。
流れてくるコメントも楽しいものです。
これらは、有料でもよいコンテンツですが、先生たちが生徒たちを想って自発的に実施されており、基本的に無料でした。
これが、ある程度コロナがおさまり、教室が再開されれば生徒たちは確実に戻ってきます。
やはり生徒(顧客)をどれだけ大切にしたかということが問われているんだと思います。
今は、生徒(フォロワー)に限定公開していますが、やりようによっては、まだ教室に通っていないけれども参加を希望する人たちにも公開することだってできます。
すると、オンラインが無料体験レッスンのようになりますので、教室が再開されたときに、自然に集客できているということにもなりえます。
もし、コロナの収束が遅く、リアルの教室が再開できない場合でも、通常の教室でのレッスンが1回3,000円くらいですので、たとえば、オンラインで500円でしたら、生徒たちはみんなやるのではないかと思います。
生徒が100人近くみていましたので、1回1時間で5万円の売上ですから、週に1回として、月4回(4時間)で20万円となります。収益的にもわるくないのではないかと思います。
今コロナの最中で、とても大変な時期ではありますが、コロナ後はもう始まっています。
コロナ時代に生き残る人というのは、この苦境下にあって、何を社会や顧客に提供できるかを真剣に考えて行動した人です。
そしてそれは決して暗くない未来ではないかと思います。
「情けは人の為ならず」で、人のためにやったことが自分に返ってくるような世の中となると信じています。