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映画のマーケティング03(最終回):2011年以降はSNSのチカラ

2016年10月13日

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

映画を観に行くきっかけになっていることは何でしょうか?

テレビで映画の宣伝をしていたり、映画館にポスターが貼ってあったり、
友だちからのクチコミだったりと、様々だと思います。

そして、現在は、クチコミに手頃なSNSが充実しています。
TwitterやFacebookによる情報の拡散です。

今、娯楽などで人を動かすには、SNSが有効という話です。

10年前に流行ったブログの時代には、影響力のあるブロガーに紹介記事を書いてもらうことで、
そのブログを読んでいる人が、紹介された商品やサービスを購入することがありました。

現在のSNSの時代においても、一定程度有効です。
映画公開初期の初速をあげるために、テレビでの露出や、影響力のあるブロガーを試写会に招待するという施策も有効です。

ただ、現在は、残念なコンテンツは、それ以上は広まりません。

クオリティが高く、鑑賞に堪えられるコンテンツや感動するコンテンツであれば、
クチコミでひろまっていきます。

従来型のフェイストゥーフェイスのクチコミでは、スピードが遅かったのに比べ、
TwitterやFacebookなどのSNSでは、シェアが一瞬で簡単にできて、
多くの知り合いに広がっていくという特性を持っているため、クチコミで広がるスピードが速いです。

まったく見ず知らずの人ではなくて、よく知る友人が、
同じ映画を短期間に映画館に5回見に行ったと書き込んだなら、
ただ事ではないと思うのが普通でしょう。

すると、雪だるまが坂道を転がり落ちるように、見る人が増えて、増幅していきます。
『君の名は。』は興行収入が145億円を超えて、ロングランが続いていますので、2016年の社会現象になりそうな勢いですね。

2016年はオリンピックもありましたので、激戦でしょうが、流行語大賞などにもノミネートされるかもしれません。

私は、テレビはあまり見なくなったので、テレビ番組でいくら映画の宣伝をしてもまったく効きません。
一方で、友人からの強烈な推薦があると、行ってみたい気になります。

2011年以降の映画のマーケティングは、SNSの進展と3.11以降のつながり消費という視点から、
良質なコンテンツが自然なクチコミで広がっていきやすい状況を作り出しました。

逆に言うと、本当に流行っているかどうかわからないけれど、
マスコミで大量に流れているから流行っているように感じるような現象は、少なくなっていきそうです。

この流れは歓迎できるものですね。
一般の人の感想がSNS上で可視化するのができる時代になりました。