こんにちは、WEBメディア エヴァンジェリストの押切孝雄です。
イギリスに、Britains Got Talent というTV番組があります。
簡単に言うと「スター誕生」のような番組なのですが、
ここに、スーザンボイルという女性が登場しました。
スーザンボイルは、47歳のスコットランドの片田舎に住む女性です。
見た目は、アグリー。
お世辞にも美人とは言えない、ステージに立つのに場違いな感じすらただようおばさんです。
YouTubeへアップされ、全世界中からアクセスが集中しました。
YouTubeで、かなりのアクセスがある映像なので、見た方も多いと思います。
( ↑ Britains Got Talent のスーザンボイル。 すぐに日本語訳版もつくられた )
しかし、スーザンボイルが、一度歌いだすと、その会場にいる人すべてを魅了しました。
曲は、レ・ミゼラブルのI dreamed a dreamです。
イギリスで大ヒットのミュージカルであり、
歌詞が、スーザンボイルの境遇と似ていることもあり、
伸びやかな歌声と共に心を打ちます。
スーザンボイルは、おばさんではなく、歌姫だったのです。
その後、見た目と歌唱力のギャップから、
YouTubeで話題になり、
各国のメディアがこぞって取り上げました。
大西洋を渡りアメリカでも話題になりました。
CNNもインタビューしました。
ラリーキングライブにも登場しました。
インターネットでニュースになりました。
もちろんYahoo!などのニュースにも登場しました。
日本でも、報道ステーションやフジテレビなどの番組で紹介されました。
マーケティング的に考えると、大成功です。
スーザンボイルというコンテンツを活用し、
このBritains Got TalentというTV番組の知名度を世界的に決定的なものにしました。
これを構想したマーケティング担当者(プロデューサー)は、
思い通りの結果に満足しているでしょう。
YouTubeというインフラがなかったら、我々日本でこんなに早く見ることはできませんでした。
最近のマーケティングの傾向として、YouTubeの発展により、
世界的な流行をつくりやすくなってきています。
先日ご紹介したThe Best Job In The Worldの事例でもそうでしたが、
1:情報発生源が、魅力的なコンテンツを用意し、
2:YouTubeに映像をアップすることでクチコミが増幅し、
3:メディアが取り上げて、
4:さらにYouTubeへアクセスが急増する
という流れのマーケティング手法が増えているということです。
◆ポイントは、
・コンテンツが良いこと。
今回は、スーザンボイルの歌が抜群に良いことでした。
ただし、コンテンツが良いだけでは、ニュースになりません。
美人で歌がうまい歌手は、たくさんいますから。
・ギャップがあること。
垢抜けないおばさんが、実はものすごく歌がうまいというギャップこそが、
今回のキモでした。
これまでの放送や通信がなし得なかったことが、
インターネットを絡まって、できるようになっています。
マーケティングの現在地としては、最先端の事例と言えます。
今後、さらにYouTubeを活用して、メディアを巻き込んだマーケティングが増えていくでしょう。