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カンボジア視察(6)微笑みの裏側

2013年01月23日

こんにちは、WEBメディア エヴァンジェリストの押切孝雄です。

本日はカンボジア視察の6回目です。

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日本で、ペンありますよね。
よくもらったりして、いつの間にか家にたくさん転がってます。

たとえば、写真のような感じのペン。
クルッと回すと黒ペン、また回すと赤ペン、
そしてもう一回回すとシャープペンになる多機能ボールペンなのですが、
ペンなんてありすぎて、使い方に困ります。

どうしてますか?

「断捨離」なんて言って、捨ててしまうこともあるでしょう。

しかし、誰かに使われるために製造されたペンを、
1回も使わずに捨てるなんてもったいない。。

なんとか、有意義に活用したいものです。

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アンコールワットにつきました。

ひと通り見ていると、若者が声をかけて来ました。

「この真中の道は王の道で、脇がゾウの道。」
「ゾウの道は、1000年前には実際にゾウが石材を運んで、アンコールワットを作りました。」

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この石像は、「ヴィシュヌ神、カンボジア人の信仰の対象です」など。
いろいろと教えてくれます。

彼は両親のいない孤児で、大学3年生ですと言います。
大学がない土曜日にアンコールワットで案内をしています。
と言います。

いつしか案内人として、アンコールワットを回っていました。

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「これは、椰子の木。
でも、この部分は鋭利で固い。」

と言って、椰子の木の幹から出ている枝の部分を見せます。
もともと大きなヤシの葉が出ていたところで、
確かに、鋭角で、ザラザラしています。

「ポルポト時代に300百万人とも言われる虐殺の中で、
この椰子の木の幹の部分で、首を切られて殺された人もいます。
ただ、刃物ほどは切れ味が良くないので、半殺しのような状態で苦しんで死んだそうです」

というようなことを教えてくれました。

かつて栄華を極めたアンコールワットで、
たった数十年前のイメージができるほど生々しい話を聞いたあとで、
栄枯盛衰について想いました。

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1時間程度のアンコールワットの案内の最後に、
大学でもっと勉強するように、彼にペンを渡しました。

これで、より勉強に励むのではないでしょうか。

と、ここまでは美談なのですが、実はその後、
お金を要求されました(笑)

案内したのだから気持ちをくれと。
1人10ドルで、S君と合わせて20ドル。
まあ、ありがちな話です。

これは明らかにふっかけているので、まずは2人で2ドルを渡しました。

すると、警察に賄賂をあげなくてはならないから本当に、
10ドルずつくれと言われました。

カンボジアで警察に賄賂を渡す話は、
プノンペンでカフェを開いている宮内さんからも聞いているので、
あながち嘘では無さそうです。

それにしても2人で20ドルはぼったくりすぎ。

カンボジア人の平均月収が100ドルと言われていますから、
もし本当に20ドル上げてしまえば、1時間で5日分を稼ぐことになります。

毎回1日に何度も警察に賄賂を渡しているわけでもないだろうとS君とも話しました。

そこで、2人あわせて5ドルをあげて切り上げました。

これがモロッコや中国などですと、
非公認ガイドとはケンカになったりして揉めることになります。

しかし、カンボジア人の気質としては、怒らない。
温和にたくましく生きるカンボジア人の姿を見たアンコールワットでした。

次回は、この視察で最も感動した遺跡をお伝えします。