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マーケティング視点からの「モンテディオ山形」ネーミングの価値

2009年01月12日

こんにちは、WEBブランディングのカティサークの押切孝雄です。

3連休の最終日ですね、本日も休日的な話題です。
前回、モンテディオ山形のフルモデルチェンジ構想について書きました。

本日は、ネーミングのマーケティング的な価値についてです。

商品やチームの名前って、実はものすごく大事なんです。

フルモデルチェンジ構想で、「モンテディオ山形」を「月山山形」に改称するというアイデアがありました。
マーケティング的な立場から言うと、この案は正しいです。

なぜなら、名前には、経済的な価値があるからです。

たとえば、プロ野球に参入した「楽天」ですが、
球団運営が赤字でも、額が大きくなければ経済的に意味があります。

なぜなら、プロ野球のシーズン中は、ほぼ毎日試合があり、試合結果を、
スポーツニュースや新聞、インターネットなどで、紹介するからです。

その時に、かならず球団名の「楽天」という言葉を、テレビ局のアナウンサーはしゃべり、
新聞やインターネットのサイトでは書きます。

すると、試合の結果は どうであれ、ほぼ毎日、「楽天」という言葉が、
メディアに露出します。このこと自体が、とてつもなく効果が大きいんです。

楽天の場合には、直接的には、インターネットのECサイト「楽天市場」の売上につながります。

さらにすすめると、「楽天」には、宮城県にホームの球場があります。

現在「クリネックススタジアム宮城」という球場名になっています。
この球場名は、日本製紙が2008年1月1日から3年の期間、ネーミングに関して権利を買っています。

日本製紙は、クリネックスというティシューの認知率向上・定着などをめざして球場名を買いました。
名称の権利のことをネーミングライツといいます。

その額は、3年間で2億5千万円でした。

クリネックススタジアム宮城は、「Kスタ」という愛称で呼ばれています。
「Kスタ」と聞いて、すぐにクリネックスを思い浮かべる人はどのくらいいるでしょうか。

かなり多いとは言えないでしょう。

そう考えると、3年間で2億5千万円という額の妥当性をどのように考えたら良いかは、
判断が分かれるところだと思います。

しかしそれでも、企業側は、毎日露出している野球というスポーツに経済的価値を見いだしています。

そして、楽天や他の球団が、プロ野球を赤字でも続ける理由は、
会社名の認知率の向上と、そこからの波及効果が大きな理由なんです。

つまり、球団名は、認知率の向上にとって、とても意味のあることです。

野球とサッカーでは、違いはありますが、チーム名には、億単位の価値があるということなんです。

すると、「モンテディオ山形」から「月山山形」という名称変更は、
「月山」という山形にある山の名前をプロモーションすることになります。

月山は、出羽三山の一山で、日本の100名山にも数えられていますので、
山形では、月山は知らない人はいないです。

しかし、全国的に考えると、はじめて聞いたという方も多いのではないでしょうか。

チーム名に月山という言葉をつけることで、月山の知名度はあがり、
実際に月山に訪れる人も増えるでしょう。

マーケティング的な立場から言うと、チーム名には経済的価値があり、
たとえば「月山山形」という名前になれば、山形の観光産業が経済的メリットを享受できるということです。

マーケティング的には、月山でなくてはならないということはありませんが、
昨年の夏に、私は月山に登ってきたのですが、夏でも雪が残っているなど、特色のある山でした。

ただ、私は「モンテディオ」という名前に対して敬意を示しており、
現時点では、名称変更について、中立的な立場ということを付け加えておきます。

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