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大学の役割の変化とは?(「聞く」から「やってみる」へ)

2021年05月01日

こんにちは、カティサークの押切孝雄です。

大学で教えていて、大学の役割の変化を感じています。
講義で一方通行で教える方式は、役割を終えようとしているのではないかということです。

たしかに、100人、200人の学生を相手にして、
大きな講義室に学生を集めての講義形式は効率的です。
これまでは。

しかし、現在は、ネットがありますので、
1000人、2000人に一度に講義をしようとおもったらできるのですね。

どういうことかというと、
YouTubeなどでも、無料で、専門的な情報があります。
しかも、オンデマンド方式で、自分が学びたい時に再生すればよいわけです。

しかも、動画は編集されていて、わかりやすいものもあります。

すると、知識を提供するという観点からは、
内容によっては、大学の教員が教えるよりも
YouTubeのほうが、わかりやすいものもこれから増えてくるでしょう。

つまり、単に知識を吸収するだけなら、YouTubeを見ていたほうがわかりやすいことがあるということです。

それでは、大学の役割はなにかというと、
その先の実践だと私は考えています。

「習う」→「やってみる」→「フィードバックがある」→「改善する」

このようなプロセスがあって、人は成長していきます。
従来の講義は、「習う」なんです。

次の「やってみる」プロセスがあってはじめて、上達したり、身についていきます。

というわけで、
私が講義で重要視しているのは、実践です。

デジタルマーケティング系の科目を受けている学生には、
「実際にやってみよう」と行動を促しています。
ECについて、習うだけでなく、自分でも売ってみようというわけです。

10年前なら、ECを立ち上げるのに費用も労力もかかりましたが、
現在ならBASEで10分でECが立ち上がります。
費用も固定費ゼロ円です。

もちろんそれだけでは売れないので、
プロモーションについても実践していくことになります。
Twitterが良いのか、Instagramが良いのかなど、学びが多くあります。

また、一度に160人以上が受講している講義中にも、
学生が考えて、書いてみるワークを取り入れています。

学生が習うだけでなく、「やってみる」というフェーズへとスムーズに移行させるためです。

また、パソコンを扱う40人程度のクラスの場合には、
テーマについて、まずは1人で書いてみる、パソコンを操作してみる、
グループディスカッションをするというようなことを通して、
身につく環境を整備しています。

これであれば、大学の意味があると思います。

グループディスカッションは、
リアルに集まらなくても、オンラインの講義でもできます。

たとえば、Zoomであれば、ブレイクアウトルームを活用することでできます。

講義を聞くだけなら、自分1人でできますが、「やってみる」フェーズでは、
ディスカッションをしたり、共同作業が発生することもあります。

ここまでの経験を振り返ってみると、最終的に重要なのは、仲間・級友なんだと思います。
どんな仲間がいるか、ディスカッションは、温かい雰囲気で、
言いたいことが言えるか、といった環境づくりが大事なんですね。

すると、その場がいきいきしてきます。
コロナ禍であっても学びを深めることはできるということを実践しています。