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成功と失敗の研究1 ネーミング「コシヒカリ」と「はえぬき」

2009年01月16日

おはようございます、WEBブランディングのカティサークの押切孝雄です。

今年は、成功と失敗の研究シリーズを何度か書いていきたいと思います。
第1回目は、商品のネーミングについてです。

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日本に2つだけ14年以上にわたって米の食味ランキングで特Aを受賞しているお米の銘柄があります。

なんだと思いますか?
コシヒカリ
ササニシキ
あきたこまち・・・

答えは、魚沼産「コシヒカリ」と、山形内陸産「はえぬき」です。

データは、山形県米の図書館より

「コシヒカリ」は知っているけれど、
「はえぬき」というお米を知らなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

日本でもっとも美味しいお米なのに、しかも14年以上連続して受賞しているのに、
「コシヒカリ」よりも圧倒的に知名度の低い「はえぬき」。

なぜでしょうか?

いくつか要因があります。
コシヒカリは様々な県で作付けをしていて収穫量も多いが、はえぬきは収穫量が多くないこと。
コシヒカリとくらべると新しい品種であること、などです。

私は、それ上記以外のポイントを指摘したいと思います。
それは、ネーミングが良くないという点です。

「はえぬき」は、食品の名前として最適ではありません。
語感が良くないからです。

そもそも「はえぬき」は、「生え抜き」のことであり、生粋のおいしいお米のことです。

しかし、一般消費者が「はえぬき」という言葉を耳で聞いた場合、
「はえぬき」は「ハエ抜き」と連想してしまう方も少なくないのです。

生産者にとっては残念な気持ちになってしまうかもしれませんが、これは事実です。

私は「はえぬき」を食べていますので、はっきりと、大変美味しいお米だといえますが、
美味しい割に知名度がありません。

そのため、「はえぬき」を知っている消費者は、日本で最高級のお米を、
「魚沼産コシヒカリ」よりも安価に購入し、おいしくいただけるわけです。

違いがわかる消費者にとっては良いのですが、
生産者にとっては、せっかく良いお米をつくっても、それに見合った価格にならないのです。

ネーミングが、非常にもったいない。
商品名は、商品の広がりの速度(クチコミ)を決定づけます。

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