こんにちは、押切孝雄です。
2011年から大学で教え始めて、13年目となりました。
今年も恒例となりました「大学生のSNS利用率・PCスマホ普及率アンケート調査結果」(最長で13年分)を紹介いたします。
いつも通り、私が教えている大学の学生に協力いただいたアンケート結果となります。
2023年度の対象は、東京23区内にある大学の主に経営学部の1年から3年生です。
2023年のアンケートの有効回答数は141名です。
したがって、都内の私大生というバイアスがあることをあらかじめご確認ください。
今回のアンケートは、SNS(X 旧Twitter、Facebook、Instagram、TikTok)のアカウント開設率と、デバイス(パソコン、タブレット)の所有率、さらに動画制作の経験についてのアンケートです。
今年もっとも世間を騒がせたSNSといえば、X(旧Twitter)となるでしょう。
イーロン・マスクによる買収に続き、アプリ名変更と大いに揺るがしました。
その2023年のX(旧Twitter)ですが、大学生のアカウント所有率は94%でした。
大学生の場合は、自分のアカウントからもちろんポストする場合もありますが、
好みのアカウントをフォローして情報を収集する目的で利用している人も多く存在します。
X(旧Twitter)は、大学生が利用しているSNSの定番といえます。
続いてInstagramです。 
Instagramはアンケートを取り始めた2015年から一貫して増加して、2019年には90%に達しました。
そして昨年2022年は92%という結果でした。
さらに今年2023年は92%で、高位安定です。
約9割ですので、大学生にとっては、X(旧Twitter)と並び2大SNSといえます。
もともとInstagramは写真がメインのSNSでしたが、
この数年で、TikTokやYouTubeショートなどのショート動画の流行もあり、
Instagram内での動画投稿が充実してきています。
ただ、TwitterもInstagramも100%にはなりません。
LINEは、誰もが利用するインフラとなっている点を踏まえると、
この2つのSNSは、いくらメジャーになっても使わないという選択をする大学生も一定程度いることがわかります。
続いて、Facebookです。
Facebookは、2011年から13年間アンケートをとっていますが、
2014年の76%をピークにして下落が続いています。
2023年は18%まで下げました。
年齢層の高いSNSの代表格のFacebookに2割弱の学生がアカウントをもっていることに
逆に驚く方もいると思います。
しかもFacebookは実名制である点もハードルが高い要因です。
それでも、登録しているというのは、好奇心旺盛な大学生が一定程度いるということを示唆しています。
TikTokは、2019年からアンケートを取りはじめて今年で5年目です。
2019年に38%で、今年2023年は82%と、もっとも伸びたSNSとなりました。
9割程度のInstagramやX(旧Twitter)とほぼ差がなくなりました。
もともと高校生などのより若年層に人気のアプリだったため、
高校時代から利用している層が大学生になったともいえます。
現在、大学でもTikTokに公式にアカウントを開設する場合が増えており、
大学生のみならず、大学進学を検討する高校生向けにも有効なメディアとなっています。
次は、パソコンの所有率についてみていきましょう。


パソコンについては、家族のパソコンではなくて、自分のパソコンを持っているかどうかのアンケートです。
「自分のパソコンを持っている」と答えた学生は、
例年5−6割程度で推移していたのですが、2021年と2022年は9割を超えました。
これは、コロナ禍の影響で、自宅からパソコンでオンラインやオンデマンドの授業を受ける学生が
自分のパソコンを購入したからですが、
今年2023年は、コロナ禍を脱して、84%とやや戻した結果となりました。
このあたりは、世相をリアルに反映していることがわかります。
つづいてスマートフォンです。 
iPhoneが90%でした(アンドロイドは10%のみ)。
大学生のiPhone好きの傾向は、少なくともアンケートを取り始めた2019年から、ずっとつづいています。
ただ、この4年で円安が進行し、今年2023年には、1ドル150円台までになりましたし、
iPhone自体も値上げで高くなってきています。
iPhone15 pro maxは、1台24万円以上する場合もあります。
すでにiPhoneは高級品といえます。
さらに、競合製品として、GoogleのPixelシリーズなどのAndroidの高機能スマホも出てきています。
今後は、少しずつ、Androidのシェアも増えてくるのではないかと推測しています。

タブレットの普及率は2023年は40%でした。
大学で講義をしていると、紙のノートやルーズリーフに板書をしている学生が圧倒的に多いものの、
パソコンやタブレットにメモしている学生も少なからずおります。
また、コロナ禍で、タブレットを購入した学生もいたことが推察されます。
動画制作の経験について聞いたところ、昨年2022年に45%、今年2023年には67%の学生が
動画を作ったことがあると答えました。
これは、TikTokやYouTubeなどの動画が流行っていることと、
スマートフォンで気軽に動画を作れるアプリ(たとえば、Capcut)があるからです。
昨年とくらべても伸びています。
大学によっては、大学公式のYouTubeやTikTokに大学生が作った動画を公開して
高校生からの人気を博している場合もあります。
やはり、作られた動画は、学生目線となりますので、
学生が作った手作り感はありますが、高校生への訴求力は確かなものだったりします。
大学生のSNS利用率まとめ
2023年のSNSとスマホなどのハードウエアのアンケートをとってみて、
SNSへの参加の形が変わってきていることが見て取れます。
10年前であれば、動画制作はハードルが高く、プロが作ったものを見るものでしたが、
現在は、気軽に自分のスマホで撮った動画を組み合わせて編集して作れる時代です。
実際に、自分で動画制作にチャレンジする学生は多く、アプリでも親しんでいます。
この事実は、動画活用という、これからの企業のプロモーションや、
大学のプロモーションの方向性を示唆しているといえそうです。
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